2001年~
京都大学大学院在籍中に、すでに脳血管の血流シミュレーションの第一人者としてご活躍されていた東京大学の大島まり教授のもとを訪ね、複雑な脳血管の血流シミュレーションをスーパーコンピュータで解析する研究に参加させて頂いていた。
Project Leader;
東京大学大学院情報学環・生産技術研究所専門分野:バイオ・マイクロ流体工学
大島まり教授
研究室ホームページ:http://www.oshimalab.iis.u-tokyo.ac.jp/japanese/
脳は大きく左右の内頸動脈と椎骨動脈の4本の動脈で養われている。
これらの動脈は頭蓋内で前後と左右をつなぐ動脈によって、その圧格差で前から後に、右から左、左から右というように交通しており、これがcircleを形成しているため、16世紀のイギリス人医師Thomas Willisによって"The Circle of Willis (ウィリス動脈輪)"と名付けられた。
未だ最先端の血流シミュレーション解析を行う研究室でも、1本の血管が2本の血管に分岐するモデルが主流であるが、大島研究室ではすでに2003年の時点で、MRA (magnetic resonance angiography)の3D-time of flightの原画像よりウィリス動脈輪を含む脳血管を抽出、形状をリモデリングし、4本の血管から同時に血液疑似流体を流すシミュレーションを行い、Wall Shear Stress(壁面せん断応力)などを計測することに成功していた。
この複雑な脳血管の構造を再現して、
・脳動脈瘤がどの部位に形成されやすいか。
・血管の狭窄や閉塞によって、どのような血流となるか。
などの大規模血流シミュレーション解析が行える研究であり、世界をリードしている。