3D-CTA (Computed Tomography Angiography)による動脈石灰化の評価

2011年~2013

浜松労災病院在職中に行った研究

 

CT Angiography検査は、従来のカテーテル検査であるAngiographyに最も近い精度で血管を描出することができ、直接血管内にカテーテルを挿入するリスクを回避できるので、くも膜下出血の患者で緊急に脳動脈瘤を検索したい場合や頸動脈狭窄症の患者などでは非常に有用である。しかしながら、放射線被爆や造影剤を使用するので、MRI検査と比較して侵襲的な検査であり、スクリーニング検査として安易に行われるべきではなく、特に高齢者や腎機能障害のある患者では適用を十分に検討して行われるべきである。

 

CT Angiography検査では、一般的に3D画像処理ソフトを用いて、3次元的に血管の形態を評価するが、CTの長所の一つである石灰化の描出にすぐれている利点を生かし、大動脈弓部から頭蓋内の脳動脈について石灰化を網羅的に評価し、大動脈の石灰化のメカニズム, 好発部位と腎機能障害や糖尿病、高血圧症などのリスク要因との関係性について統計学的に検証した。